2020年の夏は猛暑になるとの長期予報が出ていましたが、今年の梅雨は各地で豪雨被害をもたらすほど長く、降雨量が多いのですが、そんな6月から7月に掛けてワタシが大阪湾奥エリアでシーバスを追い求めた際の考え方について少し触れてみたいと思います。

この時期のベイトについて考えてみる

まずシーバスを追い求める時に考えたいのがベイトの種類。今の時期、シーバスが何を求めて大阪湾奥エリアに居るのかと考えていきます。

大前提としてですが、ワタシがよく言う大阪湾奥エリアとは淀川や大和川のような河川敷がある自然河川を除いた、護岸整備が整っている都市型河川と港湾エリアを指します。この大阪湾奥エリアに居るシーバスのベイトとなる生物は、基本的には数種類しかいないと思っています。その代表例はイナッコ。他にはハゼや甲殻類、バチなどでしょうか。カタクチイワシやマイワシ等は回遊性が強く時期的なものがあるので、ここでは除外しています。また都市型河川は大雨等で増水しても直接ベイトとなる生物が流れてくることは少ないと考えています。これは淀川や大和川がカナリ濁ってしまうような場面でも、大阪湾奥エリアには濁りのないエリアがあることからそう思っています。

ではこの初夏の時期、大阪湾奥エリアでシーバスは何を狙っているのか？ワタシはズバリ「イナッコ」だと思っています。春のマイクロベイトパターンの時よりも大きく成長したイナッコは、大阪湾奥エリアの最奥部のシャローエリアにまで群れを成しているのを見かけます。シーバスはこのイナッコを求めて大阪湾奥エリアに入ってきているようです。

エリアの絞り込みについて

この時期の大阪湾奥エリアでのベイトをイナッコとして、エリアの絞り込みを行っていきます。イナッコの動きを読み、更にシーバスが捕食しやすい場所こそが、「釣れる場所」となる訳です。

以前、春のマイクロベイトパターンについて記事を書きました。

イナッコも基本的には同じ。強い流れと風向き、水深がキモだと考えますが、初夏になると気温も上がり、梅雨による降雨の影響もあり少し応用が必要だと思ってます。

シャローとディープの複合エリア

マイクロベイトパターンではシャローエリアが良いと書きました。しかしこの時期のシャローエリアは水温が上がりやすく、シーバスの活性も上がりません。朝マヅメの涼しい時間帯であればチャンスはあるかもしれませんが、それも長くは続きません。そのため、この時期は水通しがよく、シャローからディープに変化するような場所が良いですね。シーバスは水深のある方で待機しつつ、シャローエリアにイナッコが回遊してくるのを待ち構えているイメージです。

風向きについて

マイクロベイトパターン同様、風向きも考慮しながらエリアを絞り込みます。春のマイクロベイトと比べると幾分大きく成長しているため遊泳力も高まっているのですが、それでも強い風が吹けば表層を泳ぐイナッコは風に流されてしまうようで、風の吹き溜まる場所にイナッコが群れていることが多いように思いました。6月から7月にかけては南西からの風が強く吹くことが多く、南西に面したエリアで特にイナッコの群れを確認し、釣果にも繋がっています。

ここで少し気をつけたいのが、風向きと潮の流れが喧嘩しないこと。具体的には南西からの風が強いタイミングでは、北東に向けて潮が流れる場所は風の影響により表層の流れが相殺されてしまうため、釣りにくいだけでなくイナッコも散ってしまいます。風が吹き溜まる場所で、更に潮の流れも巻き込んでいるような場所があれば、もう釣れたも同然です。

塩分濃度も考えてみる

気温が上昇し水温が上がってくると塩分濃度も上昇するため、いわゆる「苦潮」となってしまいます。今年は雨の日が続いたこともあり、例年と比べて港湾エリアでもイナッコの群れを見かけました。普段ならイナッコは港湾エリアよりも奥まった汽水域となる場所で見かけることが多いのですが、降り続いた雨の影響で港湾エリアの塩分濃度が下がったのだと考えられます。直近の降雨量を基に、イナッコの移動先について考えてみるのも良いと思います。降雨量が多ければ港湾エリア、少なければ湾奥エリア。これだけでも絞り込みができると思います。

最後に

初夏の大阪湾奥エリアにおけるエリアの絞り込みについてワタシの考え方を書いてみましたが、参考になりましたでしょうか。今の時期の大阪湾奥エリアは意外とベイトの種類が少なく、イナッコを軸に考えれば釣果に繋げられると考えています。

梅雨が明け、本格的な夏がやってくるとまたシーバスの動きも変わってきますが、もうしばらくは大阪湾奥エリアでも釣果を挙げられると考えます。真夏を迎える前に釣っちゃいましょう！