ラインを細くすれば釣れる理由について考えてみた
さて今回はラインの話。「何故釣れない時ほどラインを細くするのか?」について書いてみたいと思います。
冬のクリアウォーターを攻略する場合や激戦区のスレたシーバスに口を使わせるためにラインを細くすることは、セオリーと言えます。では何故ラインを細くするのか?これをちゃんと理解し、説明出来る人はその恩恵を得られ釣果に結びつけている人だと思います。
その理由については一言で言えば「ラインを細くすればシーバスに気付かれないから」となるのですが、これを論理的に説明すると、以下の通りとなります。
水の抵抗を受けにくくなるため
シーバスに限らず魚の大半は体の側面に側線と呼ばれる水の中で起こる振動や圧力などを感じる器官があります。側線は振動だけでなく水中の流れの変化も感じることができます。そのため水中にあるラインが受ける水の抵抗をも感じとることが出来るのです。
このことは以前紹介した書籍「釣りエサのひみつ」に記載されているチヌ(クロダイ)を使った実験でも裏付けられます。ラインを張り巡らせた水槽の中に餌をセットし、チヌを放した後に水槽を真っ暗にして観察したところ、餌は食べられたもののラインにチヌが接触しなかったという実験結果が示されております。これはチヌが視覚に頼らず側線から感じるラインが放つ水の抵抗により、ラインの存在に気付いていたと言えるでしょう。(この実験の詳細については「釣りエサのひみつ」を読んでいただければ幸いです)
以上のことから、ラインを細くすることで水の抵抗を受ける面積が減るため、シーバスの警戒心も薄れ、ハイプレッシャーな状況にも対応できるようになるのです。
流れに馴染みやすくなるため
ふたつめの理由として、ラインを細くすることにより水の流れにラインが馴染みやすくなるからと考えられます。
先に触れたとおり、シーバスは側線によりラインの存在に気付いています。大型のシーバスに対し、ミノーを潮の流れに乗せて泳がせる「ドリフト」が効くのはミノーと共にラインも流されるため、ラインから水の流れによる振動などが発生しにくくなり、シーバスに気付かれにくくなるからだと考えられます。
一般的にラインを細くすれば、しなやかで流れに馴染みやすくなります。そのためミノーなどをドリフトさせてもシーバスに違和感を与えず、喰わせることが出来るのではないでしょうか。
まとめ
以上によりラインを細くすることにより、シーバスへの警戒心を軽減する効果が得られ、シーバスに違和感を覚えさせることなくルアーを喰わせることが出来るのです。
他にもラインを細くすることによりルアーの飛距離が伸びるメリットもありますが、細くなることにより耐荷重も落ちることからラインブレイクのリスクも高まります。タックルバランスの見直しが必要となることもあるため、注意が必要です。
場面に応じてラインの太さを選択することが出来れば、脱初心者と言えるでしょう。リーダーの太さを変えるだけでも効果が得られます。何種類かのリーダーを用意しておけば、様々な場面にも対応できます。
ワタシの場合、リーダーはフロロ16lbを基準とし、時期や場面に応じ12lbと20lbに変更して対応しています。
シーバスは居るけど喰わない場合や、ショートバイトが続くという時には、ラインを細くするという選択肢も覚えていて損はないと思います。試してみてください。